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※特設コーナーです。ご感想などは当BBSまたは各ライダーへ個人メールでお願いしますね。


タイトル:2012 ドリームカップ秋耐久フェスタ(その6) 名前: 5KE-4 [2012/12/02,21:57:52] No.57
少し休憩できたとはいえ、数周回ったらもう左肘が限界です。バックストレートエンドの左ベンドの進入とか、もうたまりません。気合いを左肘に集中して抑え込みます。そのうち声が出始めます。タイムは1‘13〜14台というところです。

残り15分ぐらいになったところで、私をすごい勢いで抜いていくCBR600RRが現れました#28の金魚さんです。
それまでセーブモードで走り続けていた私は、その後ろ姿に、スイッチが入りました。直ちに追走します。しかし、全然話になりません、あっという間に離されます。見た感じで3秒ぐらいはタイム差がありそうです。残り時間から考えてこのままのペースを維持しても順位は変わらないでしょうが、なんか納得いきません(笑)
「このヤロー(ハイペースで)格好つけやがって!!オレも見せちゃるぞ〜!!」
と、ほとんど逆ギレ状態で気持ちが空回りします。
まあ、考えようによっては、少ない残り時間になったのでタイヤをいたわる必要はもうありません。最後の力を振り絞ってコーナーに突っ込んで、立ち上がりはスロットルをゴリゴリ開けていきます。
ラスト10Lap、タイムは1‘12台に入り、ラスト3周で1’11“7をマーク。
ピットでは「あれ、ここにきて11秒台?」と首をかしげていたそうです。
左肘は、アドレナリンの影響か、不思議なことに少し復活し、最後には力が入るようになりました。
ちなみに金魚さん、残り5分でピットイン(ガソリン?)。

15:30、無事チェッカーを受けることができました。

結果は177周で所要時間は3:40‘06“954で総合優勝でした。
パルクフェルメに戻った私は、疲れ果ててしまいマシンから降りるのにひと苦労でした。

上位の主な結果は、総合2位はEXOクラス GOLDENFISH 内野啓太、小屋敷真組CBR600RRで173周、総合3位はSOクラス モト・エナジー&WRP 川村広樹、川原友昭組トライアンフストリートトリプルで172周、S250クラス優勝は総合4位のエクスレイサービス+JASDF 益田悟、眞子猛(元GPライダー眞子ともみの兄)NSR250R 172周、S400クラス優勝は総合13位のてげてげ倶楽部 藤田和伸、杉本博組RVF400R 155周でした。
決勝中のファーステストラップはGOLDENFISH 1‘09“435(90周目)でした。


優勝できたとはいえ2位との差4Lapは、2位のチームのガス欠によるロスタイムと同程度と思われますので、このミスが無かったら勝負の行方はややこしいことになっていたことでしょう、また、表彰式のころに降りだした雨が、もしも、もう少し早く降りだしていたら、フロントにスリックを履いていた私は戦闘力を失っていたことでしょう。ちなみに、レインタイヤは持ってきていましたが、スペアホイルは持っていません(笑)。

などなど、つらつら思い返してみると、自分でもかなりガンバッたとは思いますが、ラッキーな面も結構ありましたし、チームクルーのバックアップは大きかったです。

いや〜、レースって本当に面白いですねえ。


手伝ってくれたチームの皆様、エキサイティング且つフェアなバトルを展開してくれたライバルチーム、ライダーの諸姉諸兄、運営スタッフの方々、観客の皆様、その他関わられた全ての方々に感謝いたします。
有難うございました。


タイトル:2012 ドリームカップ秋耐久フェスタ(その5) 名前: 5KE-4 [2012/12/02,00:16:48] No.56
セカンドスティントはひたすらガマンです。
タイヤを労わるライディングを繰り返すことに集中します。残り時間を計算したりとか順位がどうなったとか考えると集中を乱してミスを誘発をします。脳に回す血液と酸素にはあまり余裕がないようで、余計なことを考えると他の何かがお留守になります。サインボードには「P1 +4L」(ポジション1、後続との差4周)とか出ているので余計なことを心配することにエネルギーを使わない方がいいでしょう。
うん、とりあえず何も考えまい!
それでも時々頭がボーっとする時があります。周回遅れの車両に追いついた後、なんとなく追走したりして「あっ、そうだ。抜かなきゃ!」と思って前に出たりとか。
こういう時に自分の歳を感じます。以前は体は疲れてもここまでボーっとすることはなかったのになあ。まあ、こういう時が危ないのかもしれません、しっかりしろオレの頭!!と、自分に気合いを入れます。

周回を重ねてガソリンが軽くなってくるとラップタイムも少し上がります。スティント初めは1‘12〜14あたりだったタイムはスティント半ばには1’11台がちらほら見えるようになります。101周目には決勝中の私のベストラップ1‘11“359をマークしました。

3時間経過あたりから腕の疲れが限界に近づきます。右コーナーよりも左コーナーが多いので、特に左の肘が、もうたまりません。ブレーキングから左コーナーへのターンインで左の肘に力が入らずたたみそうになります。
とりあえず、次のピットインまで、ガンバれオレの左腕!!
多分あと20分ぐらいあるでしょう。
あぁ〜気が遠くなる。

待ちに待った燃料警告灯が点灯しました(笑)。あと6周ぐらい回ったらピットインの合図をしよう。
145周回ってなんとか無事にピットインしました。
もう、へろへろです。

例によって、ポカリスウェットをちゅうちゅうしながらタイヤチェック、う〜ん、やはりリヤの左側がだいぶ減っています。
1分でも2分でも腕を休ませます。そういえば、赤旗中断が20分ぐらいあったけどチェッカー時刻はどうなるの?と思って、近くにいたオフィシャルに聞いてみました。
「チェッカー時刻は変更なく15:30」
とのことでした。ということは、ラストスティントはあと40分ぐらいです。ふう〜、よかった。
もし
「中断の時間分延びますよ」
とか言われてたら、心が折れるところでした。
そういうことならガソリンは半分ぐらいでいいということです。クルーに「ガソリン半分ぐたいでいいから」といったら「もうだいぶ入ったよ」とのことで、見ると9割がた入っていました。まあ、ガス欠になるよりは全然OKです。ちなみに後続との差は?「ピットイン直前の時点で5〜6周あったよ」とのことでした。じゃあもうノントラブルで最後まで走りきれれば、ペースを落としてもおそらく大丈夫でしょう。ピットストップ時間を考慮しても2〜3Lap余裕がありそうです。
体力をふりしぼって三たびコースインです。


タイトル:2012 ドリームカップ秋耐久フェスタ(その4) 名前: 5KE-4 [2012/11/30,22:11:44] No.55
赤旗中断を含んでスタートから1時間20分経過(実質約1時間走行)。そろそろ私の前の2台は給油に入るタイミングのはずです。
#18に追走して3番手を走行していると、ピットサイン「P2」(ポジション2)が表示されました。
「先頭の#28金魚さんとこがピットインしたのね。予定通りだ。」
と思って走っていました。
ところが実際は、#28はピットインのタイミングを誤りガス欠に見舞われたようで、マシンを押してピットインしたようです。このミスによって彼らは約5分程度タイムロスしたようです。数ラップ後にホームストレート通過時にピットの方を見て、もうピットアウトしているはずのCBR600RRがあるのを発見した私は、「彼等は予定通り行ってないぞ」ということを感じました。

そして、目の前の#18GSX−R1000がピットインし、私の順位はトップに浮上しました。

私の雷猫は、20Lのタンク容量を持ち良好な燃比と相まって80分以上の連続走行が可能です。
ガソリンは、出来るだけタンクの空に近いところまで消費するまで走り続けた方が、軽い状態で走る時間を長くとれ、ラップタイム的にもタイヤ的にも有利となるので、ピットインのタイミングは出来るだけ引っぱります。
トップに浮上してから約20分近く走行した頃、燃料警告灯がメーターパネル上に点灯しました。そこから更に数周回って、充分に燃料を減らして72周でピットインしました。

給油作業中は他の作業はしてはならないので、私は、ポカリスウェットをストローでちゅうちゅう飲みながら、マシンから少し離れたところをぐるりと一回りしてタイヤ表面状態等を観察します。セーブモードで走ったことが功を奏して、特に荒れたところ等なく良好な状態でした。

給油完了後再びマシンを受け取りコースイン。数分でも休憩するとちょっと生き返った気になります。すぐに同じように疲れるのですが(笑)。

空模様は、雲が少しずつ厚くなってきています。私としては、日射しが無い分涼しく汗をかかずに済むので水分を消耗しにくくなり体力的に助かります。
フロントタイヤがレーシングスリックなので雨が降るのは非常に困りますが。


タイトル:2012 ドリームカップ秋耐久フェスタ(その3) 名前: 5KE-4 [2012/11/29,21:57:00] No.54
もうスプリントレースをして遊んでいる場合ではなくなりました。
セーブモードの走りに切り替えて体力とタイヤを温存です。できるだけ長く長くダラダラと走れるように、タイヤを労わるように滑らかにショックなくパーシャルスロットルをコントロールし、バンク状態での加速をできるだけ緩やかにし、起き上がりながらトラクションを掛け過ぎないように、且つ、直立時には全開になっているように開けていき、体力温存の為に、できるだけ余計な力を使わず、余計な操作をしないことを意識し、細心の注意をもって走ります。ラップタイムのことは・・・後で考えます。ただし、上記のような走りがある程度できると、結果的にラップタイムはあまり落ちずに揃ってきます。
また、周回遅れの処理は安全第一を心がけます、間違っても接触などないようにします。なんせ「ザ・チタンズ」(体内にチタンのパーツやボルトを持っている(おい!)男女のライダーのペア:よく似た名前だが地球連邦軍の精鋭部隊ではない)なんていう名前のチームも出走しているぐらいですから。

スタートから約20分経過した頃、私の前方の高速コーナー出口で、縦に弾き上がってクラッシュするマシンが見えました。回転しながらコース上を滑って行くそのマシンの脇をすり抜けながら見ると、ラベレッツァスピードのドゥカティです(うわ〜もったいね〜)。もう1台そのクラッシュに絡んだマシンがあるようでスポーツ250クラス#55のチーム北島AGAINのNSR250Rのようです。状況から推測するとNSRが前でドゥカティが後という位置関係で、原因は分かりませんが接触があったようです。ライダーは歩いて救急車に乗っていたように見えたので多分大丈夫でしょう。コース上にマシンが残りパーツの破片も散乱しており、赤旗でレース中断となりました。

約20分間の中断の後レース再開です。結果的に私にとっては20分間の休憩時間がもらえたことになったので体力温存、回復の点では助かりました。

レース再開は、ペースカーを先頭に赤旗前の順位に整列しローリングスタートです。

私は3番手の位置に並びコースイン。ゆっくりと周回しながら先行車に追走します。するとペースカーが意表をついて1周目で退去しました。最終コーナーをゆっくり回り過ぎた私は前2台に離されます。1コーナーのブレーキングから3コーナーにかけての低速セクションで何とか間隔を詰めてついていきます。車間が短いうちに、高速S字に続く高速コーナー入口で前の#18GSX−R1000を外から回り込んでパスします。ストレートの速い相手はペースが安定する前に抜いておきたかったので、ヨッシャ、というところです。数周後に抜き返されましたが。

その後は例によってセーブモードを保ちつつガンバって#18についていきます。ペースとしては1‘12〜13台で時々1’11台に入る感じです。先頭の#28金魚さんは徐々に離れていっており視界に捕えるのが難しくなっています。


タイトル:2012 ドリームカップ秋耐久フェスタ(その2) 名前: 5KE-4 [2012/11/28,21:48:32] No.53
決勝にむけて準備を進めます。
セッティングについては何も変更はありません。ガソリンを追加し、すりきり(これ大事)満タンにします。決勝中に使う予定のガソリンのストックを確保し、後はライダーの燃料補給、あまりいっぱいにすると走行中に上から出てきそうになるので、早めに軽めに済ませます。サインボード表示に打ち合わせを軽くしてスタート時刻を待ちます。
作戦は、ずばり「2ストップ作戦」です。(って、F1じゃないんだから・・・)


決勝
天候は曇り、気温19℃、路面コンディションはドライ。
11:30の決勝スタートに向けてスタート進行が始まりました。
スタートはルマン式ではなくグリッド式のクラッチスタートなのでグリッド上で選手紹介が行われます。
1周のウォームアップラップでタイヤの感触を確認し再びグリッドオン!!
さあ、いよいよ、4時間後の15:30のチェッカーを目指して長い長い決勝レースの始まりです。

レッドフラッグを掲げたマーシャルが退去を始めます。チェンジペダルを1速に掻き上げ、エンジン回転数を上げ、シグナル注視!!・・・レッド点灯・・ブラックアウト!!レーススタートです。
スタートはまずまず、左側から#28GOLDEN FISH(以下金魚さん)のCBR600RRが少し先行します、私はタンク満タンの身重の車体で長丁場のレースということで無理せずに2番手で1コーナー進入。前を行くCBRはブレーキングでリヤがスネーキングしています。リヤタイヤのトレッド面のテカリ具合からすると決勝で新品タイヤを使用しているようです。私のタイヤは予選で少し走って一皮剥けているのでそれなりに思い切りいけます、CRBのタイヤのグリップが本調子になる前のペースが上がらないうちに頭を取ったりすると面白そうなので、無理のない程度にオラオラーと接近戦をしかけてみます。
1周目を消化。結局は頭は取れませんでしたが、まあいいでしょう、先は長いのです。

そうこうしているうちにCBRのタイヤが本来のグリップを発揮し始めたようで、ペースが上がってきました。ついていけるだけついていきましょう。

序盤のスプリントを金魚さんに少し離されながら1‘12台あたりのペースでゴリゴリ走ります。まだ視界には捕えています。そうこうしていると、バックストレートでSO#18ラベレッツァスピードのドゥカティ1198Sが私を抜いていきます。すごいスピードです。しばらくすると、今度はSO#18(?)MARVERIC★体心整骨院★のGSX−R1000が先行していきます。まだ序盤ということで、車間が短いということと、タイヤが摩耗していないということで特に大排気量車が元気なようです。
私の順位はズルズルと下がっており、マズイ状況のようにも思えます、しかも、ライダーの息が少し上がり気味です、少し汗ばんでもいます。決勝スタートからまだ15分しか経っていないのに・・・。それに、さっきからリヤタイヤの挙動が少し変わってきています、コーナー真中から立上りでスロットルを開けて強い加速を意識するとリヤが外に逃げ気味になります。

いかんです、もう垂れ始めています。